偶然会ってしまった翌日から、
またカンタくんから頻繁に連絡がくるようになりました。
最近気付きましたが、私が完全に彼に背を向けている時、
彼からは絶対に電話がかかってきません。
そして私が少しでも心から笑う(隙を見せる)ような出来事があると、
その隙間にグイグイとアプローチしてきます。
何かがバレています。
2回目の出張の前日、一緒にお客様を接待した後、
ジュピはカンタくんと大喧嘩をします。
イヤ、一方的にジュピが怒って帰っただけです。
ジュピは、常日頃からカンタくんが人に「依存されちゃう」原因を、
「むやみやたらに助けるから」と伝えています。
転んだ人にすぐ手を差し伸べ、起き上がらせてしまうのです。
“自力で立ち上がるチャンスをあなたが奪ってるんだ”と、ジュピは言いました。
転ぶたびにカンタくんが助けてくれるから、その人は自力で立ち上がれなくなるんです。
それで依存されちゃう。傷の浅いうちに自分で解決していたら、
その地点で彼らは自力で立ち上がり、前へ進むことができたかも知れないのに、
“その機会を奪っているのはあなた、甘やかしているのはあなたです”
とジュピは常日頃言っていました。
。。。
。。。
。。。
その2回目の出張の前日、
飲んでる時にベロンベロンに酔っ払った知り合いの女性客が隣にいて、
ワインをご馳走して一緒に飲んでいたのですが…
その女性、立ち上がる事もできなくなり、視点も合っておらず(;・∀・)
バーン!と、思いっきりド派手にすっ転んでいるではありませんか。
カンタくんは一生懸命起き上がらせていました。
そして、その女性にしがみつかれ、ずっと介抱しているのです。
年齢でいうときっと40代半ばくらいの女性だと思うのですが…
女性のその酔い方って、ヤバくないですか?
悪い男に連れ去られちゃうかも知れないし、
良い男とは絶対に真剣交際に発展しないだろうし。
道端で頭打って死んでしまうかも知れない、超絶危険な酔い方だと思いました。
ジュピはその女性とこの日が初対面でしたが、
カンタくんは何年も前から顔見知りのようで、
以前からその女性の飲み方も見て来ていたようですが…
そんなになるまでなぜ止めてあげないの?
なぜ転んだ時だけ助けるの?
その人の事を本当に思ってあげているの?
中途半端に手を差し伸べるなよ!
自分で起き上がれもしないじゃない!
と思ったら腹が立って居ても立っても居られなくなり、
ジュピはカンタくんを置いてお店を後にし、帰宅してしまいました。
。。。
ジュピがお店を出て歩いていると、カンタくんから電話が鳴りました。
「どうしたんだよ、しょうがないだろ。
酔っ払ってて放っておけなかったんだ。今どこ?」
と、カンタくんは、ジュピがヤキモチを妬いて怒って帰ったと思っていました。
「もう疲れた!もうしんどい!お前とは最初っから合わない!
もう仕事以外のことで話しかけないで!もう電話して来ないで!」
前述したカンタくんの、「むやみやたらに助ける」姿を見た事が、
この言葉のきっかけではありましたが、私に対する彼の中途半端な、
つかず離れずな最近の態度に嫌気がさしていたのも大きな原因であったと思います。
だから距離をおいていたのに。。。偶然会っちゃうし(ノД`)・゜・。
。。。
。。。
。。。
この翌日の出張は、貸し切りバスで大人数だったのですが、
目も合わせずバスに乗り込んだジュピに、
何事もなかったようにカンタくんが声をかけてきました。
ジュピは他の社員の手前もあり、“うるさい!”とか言えないので、
「はい。」とだけ答え、現地へ向かいました。
「ジュピ、シートベルトしたか?」みたいな、
どうでもいい事を話しかけて来たような気がします。
俺は気にしてないよアピールかと…(;^ω^)
昨夜カンタくんにあんなひどい事言ったのに話しかけてくるなんて…
カンタくんは天邪鬼。
きっとすごく気にしてるのかも、と少し反省する私。
夜まで一言も会話せずにいましたが、
少しだけカンタくんの事が気になり始めて、宴会中カンタくんが、
「自販機どこか近くにある?」
と、みんなに聞いていたので、
「私、一緒に行きます!」
と挙手をして、彼を案内しました。
。。。
外に出て、一言も会話せず、少しだけ離れて歩いていると、カンタくんが、
「あ!UFOだ。」
と。
「どこ?」
私は彼の傍へ行き、肩を寄せて、しばらく星空を一緒に眺めていました。
沈黙のまま結構長いこと寄り添い佇んでいましたが、
振り返ると後ろに社員さんが2人立っていて…、
「いい雰囲気で声かけるタイミングが見つからなかったじゃないですか~。」
なんて、社員さんに気を使わせてしまいました(^-^;
この日ジュピは、一緒に出張に来ていたイケメン社員くんに、
「すごく好き、ジュピさん可愛い。」と軽く告られます。
(彼もチャラい男ですw)
イケメン社員くんにストレートに気持ちを言ってもらえた事で、
どうにもならないすれ違い状態のカンタくんに疲れ果てていたジュピは、
切なくなって泣きそうになりました。
「ありがとう♪私も大好きだよ。」と言ったのが仇になったのか、
翌日イケメンくんがジュピの傍から離れません。
なぜか気付けば隣にいます。
イケメンくんのことは決して嫌いではありません。
でも「違う」のです。
それは数ヵ月前にキスをされた時、心が、身体が、
はっきりと教えてくれました。
。。。
。。。
。。。
出張から帰り、翌日辺りからなぜか、
カンタくんから業務以外でチャットのようにメッセージが乱打で来るようになります。
どうした急に?とジュピは思いましたが、
もう仕事以外で関わりを持つのがしんどかったのもあり、
相変わらず色気も何もないメッセージを返し、数回やり取りしていましたが、
カンタくんからまたプッツリと連絡が途絶えます。
仕事以外の事で接さない方が楽なのです。
プライベートはもう、終わりにしたから…
優しくされると切なくなるのです。だから精一杯ビジネスライクで。
そんな中、3度目の出張がありました。
その頃には、私が避けているのか彼が避けているのか、
もはや訳が分からなくなってきていました。
相変わらずカンタくんは、出張先ではなく、隣県にホテルを予約していましたし、
私はカンタくんに何時の便で出発するかも聞かず、
自分だけサッサと朝イチ便で出張先へ向かい、
カンタくんはお昼頃にやって来ました。
注)飛行機に乗る移動距離なのに現地集合ですw
現地にはたくさんのお客様、取引先の方々がいらっしゃるので、
まるで仮面夫婦のように「仲の良い振り」をして、
すごく久しぶりにカンタくんと会話をしていました。
ジュピは日帰りしようと思っていたのですが、ナント飛行機が満席で取れず…。
現地に宿泊することになりまして、イベント主催者さんに、
それなら是非懇親会に参加してくださいと言われ、
カンタくんと共に参加しました。
同じ会社ですからモチロン、カンタくんの隣の席を用意されています。
乾杯した後はすぐ席を離れ、
久しぶりにお会いした取引先さんとずっとお話しをさせていただきました。
この時から2年ほど経った今、自分の気持ちを内観してみると…、
やっぱり、出張先では当然のように別々のところに泊まるよう、
あからさまに避けるカンタくんの態度にすごく傷付いていたんだと思います。
だからこそ私は、ザ!気にしない!ビジネスライク!と必死で自分を強く保ち、
少しでも期待してしまう弱い自分を消そうと頑張っていたのだと思います。
だから、カンタくんに軽く優しく話しかけてこられるのがとってもイヤで、
避けてしまっていたのだろうなと思います。
ビジネスライク!って決めてはいるものの、
私がどれだけビジネスライクに接しても、
カンタくんは中途半端に優しくしてくる傾向があるので、
喋るのは必要最低限に!と思っていました。
懇親会が終わり、会場を後にしようとみなさんにご挨拶をしていると、
カンタくんに、
「(隣県行きの)JRまでまだ時間あるから、2人でもう1軒行くぞ。」
と直球で誘われました。
”俺について来い”的に背を向け強引に歩き出し、
やっぱり私のYESかNOかの選択肢はなく2軒目へ行く事になりました。
つづく