「俺が守ってやる。ずっと守ってやるから。」
この日、カンタくんと3度目の夜を一緒に過ごし、
ベッドの中で彼がそう言ってくれました。
ジュピはとても気が強くて、
すごく男勝りな性格だと自分の事を思っていましたが、
カンタくんといると、すごく「弱い女」になってしまいます。
カンタくんと一緒に仕事を始めてから、
何度カンタくんの前で泣いたことか。。。
何十年と生きてきて、誰にも「負ける気がしない」ほど強気な自分が、
カンタくんにだけは敵いません。
「俺が守ってやる。」と初めて男性に言われて、
初めて女性としての喜びを感じました。
誰にも見せず生きて来た、自分の弱い部分をも全て、
カンタくんにはさらけ出してしまいます。
この日ジュピは、朝まで家に帰りませんでした。
夫からの電話で目が覚めました。
ジュピはもう、言い訳もごまかしもしないでおこうと思っていましたが、
カンタくんに急いで帰るよう促され、帰宅しました。
夫は既に仕事に行っていました。
お昼頃、カンタくんから電話が鳴ります。
「ジュピ、朝からずっと俺は、子供達に対して、罪悪感でどうにかなりそうだった。
俺は、お前の子供から父親を奪いたくないし、お前のことを慕ってる俺の子供が、
お前を恨むようなことにはなって欲しくない。
子供達を泣かせるようなことは、絶対にしたくないんだ。」
「うん。うん。分かってる。」
「ジュピ、この恋はいったん終わりにしよう。大きな愛にしていこう。」
受話器越しに聞こえるカンタくんの声、話す言葉が、
すごく遠くから頭の中に響き渡るような感覚をおぼえ、
ジュピは静かに彼の声を聞いていました。
彼が望むなら、夫に本当の事を話すつもりでした。
でも彼は、子供達の幸せを一番に考えました。
カンタくんらしい。
私はその言葉を受け止めました。
そんな彼だから愛しているのです。
「分かった。これからはちゃんと、家族を一番大切にするね。ごめんなさい。」
「ありがとうジュピ。大好きだよ、キレイだったよ、気持ち良かったよ。」
「えへへ。こちらこそありがとう。ずっと大好き。」
。。。
。。。
。。。
これは3度目のしっかりしたお別れでした。
やっぱり、近付き過ぎると、その分彼は遠く遠くへ離れていきます。
「ゆっくり抱いてやる。」
と言っていた意味が、なんとなく理解できてきました。
私たちの心はきっと、もう永遠に、3次元の世界では、
死が2人を分かつまで離れないでしょう。
そしてツインレイの幸せは、人の不幸の上には成立しないのです。
自分達が幸せになるために、犠牲になる人がいてはいけない。
みんなが幸せになる事が、私達の幸せに繋がるのです。
「この恋はいったん終わりにしよう。大きな愛にしよう。」
「いったん」をカンタくんは強調し何度も何度も言いました。
その言葉に「永遠」を感じました。
心はもう2度と離れないのだから、時間をかけてゆっくりと、
確実に統合していこうという意味にジュピは捉えました。
初編の最終話にも書いたように、
カンタくんは大きな宇宙や遠い未来をいつも見ていて、
私は目の前の小さな社会と数日後を見ています。
彼は、ずっとずっと先を見据えて、私と永遠に離れないために、
今この選択をしたのだと思います。
。。。
。。。
。。。
このお別れ以降も相変わらず、
接待等でたくさんのお客様と一緒にカンタくんと食事をしましたが、
最後に2人きりになる事なく解散していました。
今までは2人の仲を悟られないためなのか、
素っ気ない態度でいる事の多かったカンタくんが、
(社員の前ではもちろんその態度は継続中でしたが)
外部の取引先の方々の前では、私との様々なエピソードをものすごく語る
「暴露大会」を繰り広げるようになります。
基本は、2人にしか分からない宇宙語の暴露なんですが、
なんか恥ずかしいですよね(>_<)
「2人にしか通じない話しをみんなに言わないで!恥ずかしいから!」
と、何度止めても止まらなくて、
どんどん調子に乗ったカンタくんが次々に話し始めます。
「ジュピは俺と2人の時は、
”カンタさんといると楽しい♪”っていっつも可愛いのに、
酔っ払うと急に”お前シバクぞ!”とか言ってくるんだよ。」
「あはははは…(^-^;だってムカつくんだもん。」
「ジュピがこないだ泣いちゃってさぁ…
小っちゃい女の子みたいに手をこう、目の下に置いてさ。
泣いてる事よりその手の小ささしか情報入って来なかったよ(笑)」
「なんだよ、”俺が守ってやる”って優しかったクセに。(私もさり気なく暴露)
てか喋り過ぎだよ!」
なんて会話をしていると、一緒に飲んでいた取引先さんが、
「あぁ!あの女性経営者に泣かされた話し?」
となぜか知っているのです。
「こないだカンタさんと僕とで飲んでて、
カンタさんが女性経営者をそこに呼び出して、
”オイ!俺のジュピに余計なこと言うな!”って、
ものすごい剣幕で怒ってたよ。」
と。
でもその女性経営者は、
「私はジュピちゃんが好きなのよ。あの子ならと思って言ってるのよ。」
と言っていたそうです。
思わぬところで逆に取引先さんにそんな出来事を暴露されちゃって、
ちょっと口をつぐむカンタくん(笑)どうにか話題を逸らそうとしたのか、
「ジュピ!お前昨日からコイツ(その取引先さん)に近寄り過ぎなんだよ!
すぐ誰とでもベタベタするんだよジュピは。
こないだも俺に別れ際、”ちゅーして♡”みたいに唇を…」
「コラコラコラー!もうやめとけー!お前マジでシバクぞ!
(注:ジュピの台詞ですw)
誰にでもベタベタしててもそんな事は誰にでもやんないの分かってるでしょ!
(ちょっと支離滅裂)もう言わないで!」
「そうそう!ジュピちゃん、僕に惚れてるのかなと勘違いしそうだったよ。
でもやっぱりカンタさんなんだね♪」
お酒の席なので、みなさんそこまで気にはしていないでしょうが、
ちょっと喋りすぎですよね(^-^;
「この恋はいったん終わりにしよう」って、終わりにしてるからか、
3夜連続で飲みに連れ出されたりするようになり、
もちろん指一本触れられないのですが、
こんな会話をみんなにしてしまっていました。
なんだか…ラブラブになると夜は全く誘われず、
終わりにした途端しょっちゅう連れ出される、そして鉄壁の理性!
訳分かんないカンタくんです。
天邪鬼もここまで来たら極めてるとしか言いようがありません。
。。。
。。。
。。。
ジュピはこの頃、髪をバッサリ切りました。
「失恋」で髪を切ったのは初めてでした。
今までそんなに恋の終わりに心を痛めた事がなかったのですが、
この「終わり」は電話でしたが、かなりハッキリと、しっかりと、
彼の別れの決心を感じたので、ものすごく心を痛めました。
その後のそんな彼の天邪鬼的な行動が、嬉しい反面、とても切なく、
ジュピはどんどんカンタくんと接するのが辛くなっていきます。
頭で一生懸命、現状を、彼の気持ちを理解しようとするんだけど、
どうしても辛くて。
もう終わりにしたのなら、もうそんなに私にかまわないで欲しい。
もうそっとしておいてほしい。
彼が私に近付けば近づくほど、そんな気持ちが強くなっていき、
2人の関係がぎこちなくなっていきます。
電話やメッセージの回数も、必要最低限にしか交わさなくなりました。
カンタくんもそんな私の気持ちを察したのか、
少し距離を取るようになっていきます。
そんな時、またしても2人きりではないですが、一緒の出張が3回も続くんです…
1回目の出張は東京、懇親会後、二次会に行こうとするカンタくんに、
「荷物置いて来るか?」と言われ、「ハイ」と告げ、ホテルに戻り、
もう会場へは戻りませんでした。
カンタくんも案の定、私とは別のホテルを予約していました。
※一緒に出張に来ていた向かいの部屋にいる年下イケメンくんからの
夜中のメール攻撃にもめげずサッサと寝ました。
なのに…、出張から帰り数日して、
1人の綺麗な女性が会社を訪問してきたのですが、
その女性とは同じホテルに泊まってたりするのです。
地元なのに自宅へ帰らずに。
GPSで朝カンタくんがそのホテルにいるのを見つけてしまい、
すごく心がザワザワしてしまいました。
私の事は不自然なくらいに避けるのに、終わりにしたのに、他の人とは…
この辺りから、お互い一切連絡をしなくなり、
仕事でどうしても連絡を取らないといけないという事もなかったので、
10日ほど、初めてこんなに長く連絡をしませんでした。
カンタくんと距離を取る事によって心の乱れが落ち着いてきたと思ったら…、
またしても夜の街でカンタくんと偶然会うのです( ;∀;)
。。。
。。。
。。。
(初編2話でも偶然会ったお店です。ジュピもカンタくんも、
そのお店に10年以上通ってるので…行きつけのお店もシンクロです)
ジュピは若い女性社員さんと2人で一緒にいて、
「あ!社長!」と驚く女性社員さんをヨソに、
カンタくんが私達の席に当然のように座ってきました。
そして、
「あのさぁ〇〇さん、最近ジュピがずっと怒っててさぁ、
全然俺に連絡して来ないんだよ。」
と、私ではなく隣の女性社員さんに言ってくるのです。
何度となく、
その女性社員さん経由で私に言いたいであろう事を言ってくるカンタくん。
最初のうちは、あぁそーですかと聞き流していましたが、
「でね〇〇さん、ジュピがさぁ…」と、
あまりにもずっと続けざまな感じなのでとりあえず反論しました。
「なんで私に直接話しかけてこないの?
そうやって社長(社員の前ではそう呼んでますw)の方が私の事避けてんじゃん。
何かやましいことでもあるんですか?!」
※訪問に来たキレイな女性と同じホテルに泊まってたことを根に持ってますw
「なんだよお前、髪の毛切っちゃって…(サラッと私の髪を撫でる)
でさぁ、〇〇さん、ジュピがさぁ・・・(間接的会話をやめない姿勢)。」
「だから、ちゃんと仕事の話しはしてるし、最近は全然用事がなかったんだもん。
自分こそ普段電話しても全然出ないクセに。」
「俺がかけ直してもこないだ出てくれなかったんだよジュピは。
どう思う?〇〇さん。」
とかなんとか、どっちが先に連絡しなくなったか、みたいな話題でモメていると、
その2人の会話に巻き込まれていた女性社員さんが、
「オイオイ、さっきからあんたら!遠距離恋愛のすれ違いか!イチャイチャすんな!
って、社長とジュピさんだろうが私は言っちゃいますよ。」
と発言し、一同大笑いしてしまいました。
「遠距離恋愛のすれ違いか…なるほどね。」
と、妙に納得しているカンタくんでした。
つづく